野山で静かに過ごしたい

野山で静かに過ごしたい

日帰り登山、アウトドア、国内・海外旅行、移住先選定。都心6区に住みつつも、喧騒を離れたシンプルライフを満喫しています。

ユニクロがベースレイヤーに不向きな理由

登山を始めたばかりの頃、わざわざ専用の登山用品を買わずに、手持ちのアイテムで何とかまかなえないかと、工夫を試みました。

私の衣料はほとんどユニクロ無印良品Amazonで購入しており、中でも比率が高いのがユニクロです。

それまで聞いたことのなかったベースレイヤー。インナー程度の1枚の衣服に、5,000円以上もかける必要性をまだ理解できず、手持ちのユニクロ製品でなんとかしようとトライしました。

結論から言うと、残念ながらユニクロのアイテムは、登山のベースレイヤーには不向きということがわかりました。

ベースレイヤーの役割

登山では、比較的初心者も多い高尾山や筑波山でさえ、往復4〜5時間程度かかります。5時間断続的に掻く汗の量を計算してみます。

ファイントラックのサイトによると、だいたいの汗の量を把握するための計算式が

脱水量 = 体重(kg)× 行動時間(h)× 5(ml)

体重60kgの登山者が5時間行動した場合の、汗の量は

脱水量 = 60(kg)× 5(h)× 5(ml)= 1500ml

にもなります。

この大量の汗を効率よく吸い取り、発散させ、体が冷えるのを防ぐのが、ベースレイヤーの役割です。山での汗冷えは、低体温症に繋がり、命に関わります。

ミレーが推奨するベースレイヤーの条件

ミレーの公式サイトによると、以下の通りです。

ドライナミックメッシュと、その上に重ね着するレイヤーは、体にフィットしたサイズを選ぶことが重要です。体にフィットさせることで、はじめて、ムラなく汗を吸い上げる効果が生まれます。

また、素材も吸水速乾のもの(ポーラテック® パワードライ素材や、メリノウール素材のウェアなど)を選択することが重要です。 

ユニクロ商品の特徴

ユニクロのウェアの主な用途は、日常着・肌着です。価格と機能のバランスの良さが特徴です。

もちろん、スポーツウェアのラインナップもあります。ジョギングやヨガなどには重宝します。しかし、登山が他のスポーツと大きく異なる点は、上記の通り、時間の長さとトータルの発汗量です。登山は、ユニクロ製品のメインの用途からは外れます。

ユニクロでベースレイヤーとして使えそうな商品

いくつかリストアップしてみます。

エアリズム

エアリズムの吸収速乾性は、1,000円前後の肌着としては優れています。しかし、あくまで肌着であり、登山の大量の発汗には耐えられません。

一度使ったことがありますが、汗を吸ったエアリズムが肌に張り付いて、初夏にもかかわらず寒い思いをしました。

ヒートテック

エベレストを登頂した南谷真鈴さんが、ヒートテックが使用されたというニュースがありました。このときは特別にカスタマイズしたヒートテックを活用していたとともに、ミレーのドライナミックメッシュをドライレイヤーとして着用していたそうです。 

 

ヒートテックが登山に不向きな理由は、以下記事にわかりやすくまとめられています。

ヒートテックを山岳ガイドが使わない理由

ドライEX

ユニクロ|商品検索 ドライEX|公式オンラインストア(通販サイト)

エアリズムやヒートテックと比べると、肌にタイトに張り付かないという点では勝ります。しかし、やはりメインの用途は、ジョギングなど軽度のスポーツです。

ユニクロのアイテムの中で、どうしても1つベースレイヤーに使うなら、個人的に挙げるのはドライEXですが、5時間1,500mlレベルの汗では不安が残ります。

汗の多い私の場合は、試しに気温25度以上の5月の登山で着用したら、リュックが汗まみれになってしまいました。 

quiet-nature.hatenablog.com

また、登山では夏でも長袖が推奨されるところ、現時点でドライEXは半袖タイプしか販売されていません。定価では価格が1,500円(税抜)。

【おすすめ】自衛隊衣料

頼みのユニクロは使えない。でもベースレイヤーに5,000円近くもかけるのはもったいない、と悩んだ末、出会ったのが、この自衛隊の長袖Tシャツでした。

[ジェイジィエスディエフ] Tシャツ 652401 OD 日本 M-(日本サイズM相当)

[ジェイジィエスディエフ] Tシャツ 652401 OD 日本 M-(日本サイズM相当)

 

 

吸汗速乾機能

吸汗速乾機能は、綿のTシャツと比べて5倍とのこと。

ポリエステルの断面が独自のX型で、毛細管現象で汗を素早く吸って乾かすそうです。液体の汗だけでなく、水蒸気の汗も外部へ素早く逃します。 

メッシュ編みで張り付かない

最初に来た瞬間に気づくのが、長袖にもかかわらず軽い着心地です。汗を吸った後も、肌にべったり張り付く感じがなく、汗冷えも感じませんでした。

汎用性が高い

購入時の外装によると、スキー訓練で汗冷えを防止するための衣料だそうです。ですが、冬にしか使えないというわけではありません。

実際に着てみて気付いたのですが、常にドライに保たれており、暑くも寒くもない適温がキープされています。夏場は涼しく、冬は温かいのです。

特に黒を選べば、一般的な長袖のシンプルなTシャツと大差ありません。エアリズムのようなテカテカ感はほとんどなく、登山やスポーツに限らず着用可能です。

天気や気温が読めなくても、これ1枚あれば広いシチュエーションをカバーできる信頼感があります。旅行には必ず持参しています。

価格は1,500〜2,000円前後

サイズやカラーにもよりますが、私が購入した時はSサイズ1,600円程度でした。

長袖推奨ですが、半袖なら2着で約2,000円です。定価のドライEXと同等の価格で、2着購入可能です。 

[ジェイジィエスディエフ] Tシャツ 652501 新迷彩 日本 M-(日本サイズM相当)

[ジェイジィエスディエフ] Tシャツ 652501 新迷彩 日本 M-(日本サイズM相当)

 

 

手軽に手に入る安心感

Amazonで簡単に購入・試着・返品できるので試しに買ってみましたが、正解でした。

すでに半年着用しています。現時点でも、同じURLで同じ商品が手に入るのはとても便利です。数年後に同じ商品が欲しいと思ったときに、探し直す必要なくまた同じ商品が手に入ることも「コスパが良い」というポイントです。

ユニクロで、ちょっといいなと思う商品を見つけても、予告なく販売しなくなったり、サイズや素材が変更されることが何度かありました。

人生において衣料品の優先度が高くない人間にとっては、そういう不確定要素は、地味にストレスを感じてしまいます。

最後に

ユニクロ製品は、5時間1,500mlレベルの大量の汗を扱えないので、ベースレイヤーには不向き」としていますが、登山でも掻く汗が少なければ、使用する余地はあるとも言えます。

筑波山で、エアリズムレギンスを着用している女性を見かけたことがあります。下半身は、上半身と比較して汗が少ないので、アリかもしれません。

ただし、登山での汗冷えは命取りということは、肝に銘じる必要があります。 平地や低山での実験は必須です。

歳を重ねるに連れて、自衛隊衣料とか安全靴などをAmazonで購入する機会が増えました。機能重視の商品の良いところは、ユニクロほど頻繁にリニューアルせず、翌年以降もAmazonで手軽に購入できる確率が高い点です。