野山で静かに過ごしたい

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日帰り登山、アウトドア、国内・海外旅行、移住先選定。都心6区に住みつつも、喧騒を離れたシンプルライフを満喫しています。

ユニクロを登山靴下に使う場合の注意点

まだ本格的に登山を始めるべきか迷っていた頃、1番最初に購入した登山専用商品は、登山靴でした。普通のジョギングスニーカーで登ったとき、滑るわ疲れるわで、全然楽しめないし危険を感じたからです。

ただ、登山靴下については、登山でしか履けないものにわざわざ1,000〜2,000円近く払う必要があるものか疑問に思い、往生際悪く、ユニクロのパイル靴下を使っていました。

その実験の結論から言うと、すでに登山靴を購入しているとか、今後も登山を続ける予定なら、登山靴下も専用品が必要です。登山が断然楽になります。ユニクロパイル靴下を使ってみた結果もご説明します。

登山靴下の条件

Yamakei Onlineに掲載のスポーツシューズ店の専門家による見解をまとめると、以下の通りです。

  1. トレッキングシューズのほとんどは防水機能がついており、濡れない分、足側の湿気がこもる。「汗ムレの処理」が大切なポイント。
  2. 「ムレない靴下選び」のためには、素材が重要。繊維の中で圧倒的に吸湿性が高い天然繊維であるウールが、4割以上、できれば6割くらい入っているのが望ましい。
  3. トレッキングシューズはある程度の硬さがあるので、肌あたりの軽減という意味でも、中厚手以上の厚みがあるタイプが望ましい。
  4. フィット感が高い。靴下の中で足が泳ぐと靴擦れの原因になる。足裏のアーチ部分やアキレス腱あたりなど、編み方を変化させることで程よく締まる設計だとフィット感が上がる。

ユニクロで登山靴下として使えそうな商品

ユニクロのパイルソックス

UNIQLO MEN パイルソックス

メリットは、なんといっても税込390円という安さと、全国の店舗で手に入る手軽さでしょう。

ですが、上記の登山靴下の条件のうちユニクロのパイルソックスがクリアしているのは、3番目の「厚みがある」という点のみです。それも中厚手と言えるほどの厚みはないため、辛うじてというレベル。

ヒートテックパイルソックス

UNIQLO MEN ヒートテックパイルソックス

同じパイルソックスでも、ヒートテックパイルソックスは、登山靴下としておすすめできません。

この靴下に含まれているレーヨンという素材は、肌触りが良いメリットの一方、吸水性が高く、汗が大量に行われると吸水率が飽和します。結果的に、汗の乾きが遅くなるのです。

そんなレーヨンが18%も含まれているヒートテックパイルソックスは、上記の登山靴下の条件のうち「汗ムレの処理」の点で不適です。

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UNIQLO MEN ヒートテックパイルソックス商品情報ページスクリーンショット

靴下に限らず、ヒートテックが登山に不向きな理由は、以下記事にわかりやすくまとめられています。

ヒートテックを山岳ガイドが使わない理由 | IT技術者ロードバイク

ユニクロのパイルソックスを登山靴下に使う場合の注意点

ユニクロのパイルソックスで実際に登山してみたときに困ったのは、以下の点です。

登山靴の中で滑る

登山靴は通常履いている靴のサイズよりも1cmほど大きめを買うのが鉄則のため、常にゆとりのある状態です。中厚手の靴下でちょうど良いところ、それよりも薄いユニクロのパイルソックスでは、まだ靴とのあいだに隙間があります。

そんなブカブカの状態で履くことを想定していないユニクロのパイルソックスではフィット感が足りず、靴の中でわずかな滑りが生じます。

靴ずれ

何kmも長距離を歩く登山において、通常の靴よりも硬めに作られた登山靴の中で、そのわずかなズレが繰り返される結果、靴ずれが起こります。特に靴ずれができやすいのが、かかとと小指です。

いくら体力が残っていても、靴ずれになると一気にペースが落ちます。登山靴は何度も脱ぎ直すのが難しいので、絆創膏などでケアするのもひと苦労です。

【おすすめ】自衛隊靴下

ユニクロの後、ミズノ、モンベルの登山靴下なども実際に試して検証した上で、最終的に出会ったのが自衛隊靴下です。以降、ずっと愛用しています。

なんといっても、自衛隊員の声を参考にして40km行軍用に生み出され、実際に利用された靴下という実績があります。商品説明には「半長靴をはじめ、安全靴・登山靴も快適にご利用いただけます」と明記されています。

私の登山はせいぜい1回あたり長くても10km程度なので、十分対応できます。

汗ムレ対策

ベンチレーション機能として、湿気を素早い排出と新鮮な空気の取り入れをおこなうため、生地の表面に畦(あぜ)があります。

足裏部分は特殊タック編みで、通気性と耐久性を担保。

素材がウールでなくても、ムレない登山靴下のための機能は十分備えています。

足の形状に合わせたフィット感

ふくらはぎ部分は足の形状にあわせてゴムは入っていて、上にいくほど緩くなっているため、フィット感の割にキツさを感じません。

かかと部分は深さが従来の1.5倍になっていて、立体的に包み込むことでズレを防ぐ設計です。

右足と左足はそれぞれの形状に合わせた形になっており、間違えないように、足裏部分にR(右)とL(左)が印字されています。

足マメや靴ずれ防止の工夫

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自衛隊の行軍と言えば、足マメや靴ずれが付きもの。

それをふまえた商品のため、他の登山靴下にはない大きな特徴があります。

それが、つま先部分が外側縫い合わせになっている点です。足に縫い目が接しないので、足マメやスレ対策になります。

靴下には目立たずとも縫い目があるのが当たり前なので、気にもしていませんでしたが、この靴下を履いて快適さがよく実感できました。

価格は2足で2,300円前後

価格は、2足組で約2,300円。1足あたりで計算すると約1,150円となります。モンベルはもちろん、ミズノのようなリーズナブルな商品よりも安価です。

Amazonの他、ふるさと納税でも入手できる

Amazonで簡単に購入できるので、試着・返品も可能です。

Amazon以外に、ふるさと納税の返礼品としても入手可能です。還元率約3割で、楽天ポイント還元をうまく使えば、もっとお得になります。

最後に

これは裏ワザ的な話で決しておすすめはできませんが、私は以前に旅行の登山で登山靴下をうっかり忘れてしまったとき、靴ずれのできやすいかかとと小指にワセリンを塗って、通常の靴下(無印良品の綿の靴下)を二枚重ねすることで、5時間程度の低登山に臨んだ経験があります。

ですので、仮にユニクロのパイルソックスでも、高尾山や筑波山レベルの低山に1〜2回程度行くなら、登れないこともないでしょう。390円という価格は確かに魅力的です。

ただ、その後も登山を継続する予定なら、専用の登山靴下があったほうが、記事に書いたようなトラブルが防げて安全ですし、登山が断然楽になります。一度履いてみたら、もうユニクロパイルソックスには戻れません。

2足組のうち、まだ1足を2年間使っていて、残りの1足は新品未使用のまま。耐久性も十分です。