【乗鞍岳】3,000m級デビューにも最適な日本百名山
関東では、とても登山などできないような猛暑が続いていましたが、ようやく涼しくなってきましたね。私は、まだ暑さの厳しい先週、乗鞍岳で避暑してきました。
宿泊した休暇村乗鞍高原は、クーラー設備が付いていないくらい、涼しい場所でした。部屋には扇風機のみで、それも使用する必要ありませんでした。窓から入ってくる風が冷たいくらい。
まだ残暑は厳しいですが、ひと足お先に秋の気配を感じられるので、おすすめです。
今週のお題「残暑を乗り切る」
乗鞍岳とは
3,000メートル級の山の中でも、高山デビューにはぴったりの山です。登山開始地点と山頂の標高差が300m程度と小さく、コースの全長も短いためです。
公式サイトにも、片道1時間半と明言されています。
高山対策
新たなレベルの登山に挑戦するとき、技術・体力・標高のレベルを一気に上げず、ひとつひとつ挑戦するのが、リスクを下げるポイントです。
そのため、今回は「標高」のレベル上げに絞りました。
標高の高い山に登るときに注意すべきなのが、高山病です。2,000mを超えると、高山病の危険があります。生まれつき体制が決まっていて、トレーニングで向上するものでは無いようです。
山岳ガイドさんが書いていた呼吸法があります。
気圧が低い場所では、鼻から吸って口をすぼめて強く吐く「口すぼめ呼吸」が有効です。歩行中に呼吸が乱れて「ハァハァ」と吐くのは効率の悪い呼吸になっているサインです。
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ちなみに、私は遅効性アレルギー検査で卵が引っかかっています。平時なら大きな問題は無いのですが、気圧が変化したりすると2日後ぐらいに頭痛が来るので、今回は1週間前から卵は控えるという準備もしました。
急性アレルギーがなくても、誰でも遅効性アレルギーを持っている可能性があるので、高山など過酷な環境に身を置く可能性がある人は、検査を受けておいて損はないと思います。
乗鞍岳のマイカー規制
乗鞍岳は、マイカー規制があります。観光バスやタクシーを使う必要があります。ちなみに、自転車は通行OKでした。
宿泊は休暇村が便利
麓にはいくつかの宿泊地がありますが、中でも休暇村は便利です。
目の前に乗鞍岳行きバスのバス停があり、マイカーは休暇村に駐車しておけます。
朝9時など人が多く乗る時間は、アルピコバスの案内係りの人もいます。必ず座りたいなら、始発の乗鞍観光センターからの乗車を推奨ということでしたが、実運用では、休暇村前の案内係りの人が無線で連絡を取り合って、バスの同便の手配をしていました。乗車希望の人が出来る限り座れるような工夫がなされています。
それと、休暇村ではお弁当(有料)を依頼できます。
散歩コースもあり、滝を見に行くコースや、乗鞍岳を眺められる池の東屋など、自然の中でゆっくり過ごせます。
乗鞍岳山頂までのコース
乗鞍岳自体は、登山の装備ではない、一般の観光客の方も楽しめます。しかし、登山客が目指すのは、やはり剣ヶ峰山頂です。剣ヶ峰山頂までは、事前準備・登山の装備・心構えがないと、キツイ道のりです。
乗鞍岳山頂までの道のり
まずは、バスで酔わないように注意です。山道特有の蛇行した道でしたが、路線バスではなくしっかりした観光バスで、座席も多少リクライニングできました。
運転手さんのコース取りがとてもうまく、きちんと酔い止めを飲んでいれば、酔う可能性は最小限に抑えられる環境です。
バスセンターには、お土産屋さんやトイレなどがあります。
16度の曇天でしたが、普通にTシャツで登山でき、そこまでの寒さは感じませんでした。風が吹くと、また違うかもしれません。念のため、ダウンベストとレインウェアはリュックに入れて行きました。
ハイシーズンは過ぎてしまいましたが、コマクサがたくさん咲いていました。
1年中で最も暑い時期なのに、残雪が少々。画像右、池のほとりです。
残念ながら、ライチョウは見られませんでした。曇天や、雨の降り始めがチャンスと聞いていたので、期待していたのですが。ハイマツの茂みに隠れていないか、ずっと目を凝らしていました。
登り始めは、少し息が苦しく体が重い気がしましたが、上でもご紹介した山岳ガイドさんおすすめの呼吸法で、口をすぼめてしっかり吐くように心がけました。
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気がついたら、いつも通りのペースで登れていて、特に頭痛や吐き気に悩まされることなく済みました。
標高差は少ないとは言えど、それなりに上りごたえはあります。高山でもあるので、無理して行に登らず、ゆっくり呼吸を整えながら進むのが良いです。
あいにくの天気で、眺望は望めませんでしたが、高山特有の開放感を堪能できました。
乗鞍岳で昼食を取ろうと考えていましたが、山頂はスペースがほとんどなかったのと、バスの時間が限られるため、取り急ぎ休暇村バス停まで戻ってきました。
写真は、休暇村散歩コース内の牛留池の東屋にて。たった今、自分たちが登ってきた乗鞍岳を眺めてしみじみしながら、昼食を取りました。
最後に
日本百名山も7座目。ついに3,000メートル級を登頂し、全国でも最も難易度の高い山が多い長野県に進出しました。同じ長野県でも、軽井沢より、この辺の硬派な山岳エリアの方が居心地が良いです。穂高や槍ヶ岳を眺めつつ、引き続き精進します。